痴漢犯罪防止クラウドファンディング
痴漢犯罪防止クラウドファンディング

「学校に痴漢犯罪防犯講座セットを」とクラウドファンディング 支援額が75万円を突破

電車内での痴漢防止の活動に取り組んでいる一般社団法人痴漢抑止活動センター(大阪市中央区)が、学校で痴漢犯罪防止講座を開くためのクラウドファンディングを実施している。2021年12月13日に目標25万円でスタートし、21日現在は75万円を突破。2022年1月31日の終了日まで150万円を目標に掲げ、協力を呼びかけている。

中高生や先生への「痴漢犯罪」啓発が目的

痴漢抑止活動センターは、電車内での女子学生に対する痴漢行為を防止しようと啓発活動に取り組んでいる団体で、2015年から「痴漢は犯罪です」「私たちは泣き寝入りしません」などと書かれた痴漢抑止バッジの普及に努めている。バッジをかばんなどにつけると、実際に痴漢を抑止する効果があるという。

しかし、バッジはまだまだ普及しているとは言えず、痴漢を防止する方法や痴漢に遭ったときの対処法を知らない中高生が多いことから、学校に痴漢防止バッジなどを寄贈し、各校で痴漢犯罪に対する防犯講座を開いてもらおうと、クラウドファンディングで寄付を募ることになった。

寄付は1口3000円が基本で、10人の支援が集まると1校に「痴漢犯罪防犯講座セット」が贈られる。セットの中身は、防犯講座用の啓発アニメーション動画やチラシ、副読本、痴漢抑止バッジ100個で、動画やチラシを使って学校で防犯講座を開き、バッジを生徒らに配布してもらう。

学校で防犯講座を開いてもらうのは、教師らにも痴漢被害の実態や対策を知ってもらうのも狙いの1つで、教師らも痴漢被害に関して誤った認識をもっていることが多いという。同センターが以前に高校教員らを対象にしたセミナーを開いたところ、「こんなに痴漢被害があるとは知らなかった」という声が多く、被害生徒に対する指導でも「短いスカートを注意する」「みんなと同じ時間に登校するよう指導する」といった見当外れの回答が多かった。センターによると、痴漢は校則を守っている真面目そうな生徒が狙われやすく、下校時の被害も多いという

150万円を目標に支援を呼びかけ

クラウドファンディングは開始して5日で目標の25万を突破。1月19日には支援者100人を超え、支援総額も70万円を上回った。寄贈先の学校として大阪や埼玉の5校が決まっているが、支援者からは「母校の後輩にバッジを贈りたい」「子供が通学する学校で講座を開いてほしい」というリクエストも寄せられている。中には、痴漢に遭った経験がある高校生からの「私の学校に寄贈してください」というリクエストもあり、彼女は学校の教頭に直談判して寄贈を受ける許可を取り付けたという。

現在は、講座セットの寄贈だけでなく、痴漢防止バッジの無料配布イベントの開催やバッジを無料配布するホームページの制作も行えるよう、目標金額を150万円に設定している。

同センターの松永弥生代表理事は「学校によっては校則で、かばんに缶バッジをつけるのが禁止されている場合もあり、先生にも痴漢抑止バッジは防犯グッズだと知ってもらいたい。多くの人の支援で、痴漢犯罪から学生を守っていきたい」などと呼びかけている。