画像:映画Ribbonメインビジュアル のん PRTIMES
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女優・のんが監督 コロナ禍の学生の葛藤を描く映画『Ribbon』

コロナ禍で「文化祭」や「卒業制作展」などが相次いで中止となり、学生たちが発表の機会を失っていると言われている。そんなコロナ禍の学生たちの葛藤を題材としたのが、公開中の映画『Ribbon』だ。

女優『のん』が脚本・監督・主演すべてを務めた初の劇場映画

本映画は、ドラマ『あまちゃん』で一躍有名になった女優『のん』が脚本・監督・主演をすべて一人で務め、劇場映画としては初の監督作品となった。そこに込められていたのは、コロナ禍で表現の場を奪われてしまった学生たちの怒りや悲しみを救いたいという切なる想いだったという。

映画『Ribbon』あらすじ

本作の主人公は、美術大学生『浅川いつか』(のん)。彼女は大学4年間の集大成である『卒業制作展』を間近に控えていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、いつかが通う大学は卒業制作展の中止と、大学の一時閉鎖を発表。学生たちは、これまで卒業制作展のために作ってきた作品を、「壊す」か「持ち帰るか」の選択肢を余儀なくされた。いつかは重い足取りで完成間近だった自分の絵画を家に持ち帰るが、その傍ら、声にならない叫びとともに作品を壊す同級生たちの姿もあった。

大学に通えない自粛生活がはじまってからのいつかは、描きかけのキャンバスを目の前に筆を握っても制作する気力が起きず、無気力なまま日々を過ごしていた。親や妹が次々といつかの元を訪れるものの、苛立ちは募り、鬱々とした気持ちが晴れることない。しかし物語が進むにつれ、同じ美術大学に通う親友・平井(山下リオ)との衝突や、公園でたびたび見かける「謎の男」との出会いを通じ、創作活動への情熱を少しずつ取り戻し、いつかは再び筆をとりはじめる。

劇中ではこんなセリフが飛び交う。

「つくってきたもの、全部ゴミになった気分」

「なんのために4年間頑張ったんだかわかんないよ」

「世の中の人たちみんな、芸術なんかなくたって生きていけるんだって」

大学生活や作品作りに全力を注いできた学生たちのストレートな言葉が、何度も映画の視聴者に疑問や苦しさを訴える。

そしてこれらの感情は映画のタイトルのごとく、「リボン」というファンシーなアイテムで表現されている。カラフルで可愛らしいリボンがいつかの体の周りにふよふよと現れ、くるくると舞ったり、蔦のように体に絡まったり、剣のように鋭く尖るシーンもあった。このリボンの描写についてのん監督はこう語っている。

「自分の中にで押し込めている感情がリボンにあらわれる。そういう風に表現にしてました」(『Ribbon』公式サイトメイキング動画より)

アメリカ・シカゴの映画祭『Asian Pop-Up Cinema』での上映決定

『Ribbon』の公開は日本だけではなく、年2回アメリカ・シカゴで開催される映画祭『Asian Pop-Up Cinema』での上映も決定した。(上映期間は3月21日〜27日)本イベントでは毎年アジアでの話題作が紹介されいるが、彼女の映画に込めたメッセージもまた、コロナ禍で苦しむ世界中の人たちに広がっていくこととなりそうだ。

また日本では3月4日〜3月14日まで、渋谷PARCOのB1F『GALLERY X』にて『のん Ribbon展 不気味で、可愛いもの。』が開催されている。のん自身のオリジナル作品に加え、映画『Ribbon』のメインビジュアルや主題歌のミュージックビデオで使われた衣装や、物語のキーとなる作品などが展示されている。特設サイトはこちら