女性起業家(イメージ) 画像:shutterstock 
女性起業家(イメージ) 画像:shutterstock 

女性起業家コンテスト「AIによるハラスメント検知と労働環境改善」がグランプリ

社会に影響を与える女性起業家やスタートアップを世に送り出し、女性の「起業の夢」を支援することを目的とした事業プランコンテスト「アワジ・スタートアップ・クイーンアワード」の最終公開プレゼンテーションが2022年7月12日、兵庫県・淡路島で開かれた。6人の女性が意欲的な事業のアイデアを披露し、グランプリには、AIを使ったハラスメント検知で職場環境の改善を図るサービスが選ばれた。

起業を目指す女性を支援

コンテストはパソナグループが主催。パソナグループは、女性に特化した起業家育成、事業支援プログラム「レディース・ビー・アンビシャス」を2014年から行っており、これまでに約120人を育成、37人の起業家を輩出してきた。

コンテストは、1年以内の起業を目指している女性が対象で、受賞者は、パソナグループが淡路島で展開する事業との連携や実証実験を行う機会が与えられ、パソナグループは出資も検討する。

12日のプレゼンテーションでは、書類選考を経て選ばれたファイナリスト6人が順番に、事業内容を説明。その後、審査が行われ、グランプリの戸田静香さんら受賞者3人が選ばれた。

「AIで社会問題を解決」と評価

グランプリの戸田さんが提案したのは、「AIの力を用い、労働環境を是正しワークライフバランスを促進」。ハラスメントと指導の境界線がわからない管理職が多く、上司からの報復などを恐れて、被害者がハラスメントなどを会社に相談できないという職場を改善するため、AIを使ったハラスメントの自動検知と研修などの教育で労働環境を改善するサービスを提供する。審査では、「AIで社会の問題点を解決する実現性の高いアイデア」として高い評価を得た。

準グランプリの杉山絵美さん「規格外野菜のスナック販売【淡路島もったいないプロジェクト】」として、淡路島産の規格外の野菜を使ったヘルシーなスナックの生産を提案した。

パッケージデザインを、自閉症で感性豊かなアーティストに依頼する。

フードロス問題の解決につながる点が評価された。

特別賞の植松千明さんは「会員制トイレのシェアリングプラットフォーム【hanatsumi】」を提案。会員がプラットフォームに登録されたトイレをスマートフォンでロック解除し、自由に使える月額制サービスで、家や職場以外でも気軽に使えるトイレを増やすという内容で、ITで多くのトイレの情報をつなぐことで、都市全体でのトイレ計画が実現する。女性や障害者らのニーズに応えるトイレや、行くのが楽しみなVRトイレなども整えるとし、「インフラに関わる斬新なアイデア」として評価された。