画像:shutterstock
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SNSで傷ついた人に寄り添うサイトを公開 誹謗中傷体験や裁判例を共有

SNSで誹謗中傷を受けるなどのトラブルに悩む人たちに傷ついた心を癒してもらおうと、誹謗中傷体験や裁判例を共有するサイト「TOMARIGI(トマリギ)」が2022年2月8日に公開された。

SNSで傷付いた人が心を癒すよりどころに

サイトを企画したのは、Webサイト制作などを手がけるカヤック(神奈川県鎌倉市)と、Webサイトクリエーターの関口舞さん。個人の発信や交流による「つながる喜び」を生み出す一方で、誹謗中傷による「つながる苦しさ」を人に与えるSNSのあり方を考え直し、SNSで傷つく人を一人でも少なくしたいと制作に取り組んだという。「TOMARIGI」というサイト名には「傷ついた羽を休めるためのよりどころにしてほしい」という願いが込められている。

サイトでは、SNSトラブルにあったときに、つらい気持ちを書き込んだり、他の人の体験談を読んだりして気持ちを楽にできるほか、すぐにできる対処法や裁判事例なども調べられる。若年層でも、見やすく、わかりやすくなるよう表示画面や操作方法にこだわり、ペールトーンや動物のイラストを使うことで、ぬくもりや温かさを感じられるようにした。

体験を共有することで孤独感を和らげる

SNSに誹謗中傷を書かれたりデマを流されたりしたときの対処法の紹介では、「無視する」「記録を取る」など、すぐにできることから「サイトやSNSの管理者に削除依頼する」「発信者情報開示請求する」など法的手段まで具体的に説明している。「個人へのデマ」「暴言」などのキーワードで裁判事例の検索もでき、裁判事例は過去5年間の判例を中心に弁護士が監修。できるかぎり、平易でわかりやすい文章にした。

また、体験談を書き込みやすいように、投稿に対するコメントを制限。「気持ちわかるよ」や「わたしは味方だよ」「同じ体験したよ」という共感するリアクションしかできないようにして、安心して悩みや苦しさを打ち明けられるようにした。つらい体験をつづった後は、動物が共感するアニメーションが流れ、気持ちが癒される。

サイトを企画した関口さんは「SNSで誹謗中傷被害にあったとき、弁護士に相談する前に、自分と似た事例に対し裁判所はどう判断をしたのかが分かるツールが必要なのではと思いました。SNSにおける人間関係で傷ついてしまうことも多い時代だけに、同じ体験をした人同士で共感しあうことで孤独感を和らげ、気持ちを癒やし合える場所を作りたい。SNSで傷ついた人が、自分を責めて思い詰める前に、駆け込んでもらえるサイトを目指します」とコメントしている。