画像:shutterstock 原稿用紙
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法務省「第40回全国中学生人権作文コンテスト」特設サイトを開設 第41回開催へ 

法務省は「第40回全国中学生人権作文コンテスト」(全国人権擁護委員連合会との共催)の特設サイトを2022年2月15日、開設した。特設サイトでは、上位9作品がイラストなどとともに紹介されている。「第41回全国中学生人権作文コンテスト」も例年通り開催が決定し、作文を募集している。

前回は全国6388校から79万を超える応募

全国中学生人権作文コンテストは、日常の家庭生活や学校生活の中での得た体験に基づく作文を書くことを通じ、人権尊重の大切さや基本的人権についての理解を深めるとともに、豊かな人権感覚を身に付けてもらうと、1981年から毎年行われている。

40回は全国6388校の学校から、79万2451人が応募。審査の結果、内閣総理大臣賞に松山陽奈さん(宮城県)、法務大臣賞に野尻夕珠さん(岐阜県)、文部科学大臣賞に須田琴菜さん(福島県)、第40回大会記念賞に小西祥生さん(岡山県)の上位4作品などが入賞作品として選ばれた。

いずれの作品も、中学生らしい感性と純粋な感覚で人権問題をとらえており、特設サイトでは上位4作品をはじめ入賞作9作品を紹介している。上位4作品については朗読動画と英訳も公開されている。

「見ないふりをしない」ことの勇気

内閣総理大臣賞に選ばれた仙台市立仙台青陵中等教育学校3年、松山陽奈さんの作文「みんなのヒーロー」は、毎朝、通学のために乗っているバスの中での体験を取り上げた。

毎週火曜と木曜の朝、決まって手押し車を押しながらバスに乗ってくる高齢女性がいて、バスの乗客らはいつも迷惑そうに彼女を見るだけで、誰も手伝おうとはしなかった。中には露骨に嫌そうな態度を取る人もいた。ところが、ある日、一人の男性が女性に「手伝いますよ」と声をかけて手押し車を持ち上げ、自分の席を譲った。

周囲の目を気にせず、女性の手助けをした男性を見て、松山さんは自分も同じように行動したいと考える。そして、次の日から松山さんは女性の手伝いを始めるのだが、他にも女性を手伝う高校生も現れる。その後、さらに起きていくバス内の変化について綴っている。

法務大臣賞に選ばれた高山市立東山中学3年、野尻夕珠さんの「かけがえのないもの」は、小学校で誰かに「死ね」と教科書に書かれたときの思いをつづった。

結局、誰も名乗り出なかったが、野尻さんは学校に行くのが怖くなるほどのショックを受けた。そのとき、先生や友達、両親から受けた思いやりや励ましと、自分の気持ちを正直に語り、「誰もが幸せに生きる社会にするために、一人一人が自分の言動に責任をもって後悔のない人生を送ってほしい。誰の命もまた、かけがえのない大切なもの」と訴えている。

「第40回全国中学生人権作文コンテスト」の特設サイトのURLは次の通り。

https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken40_2021.html

「第41回全国中学生人権作文コンテスト」も、中学校名、氏名、題名を書き、400文字の原稿用紙5枚以内で応募する決まり。法務局・地方法務局ごとに地方大会を実施し、推薦があったものが全国大会で審査される。推薦期限は令和4年11月28日(月)。実施要項は下記のリストより問い合わせとなる。

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