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大学のSDGs貢献度世界ランキングで日本勢が躍進 北大が総合10位に

英国の高等教育専門誌「Times Higher Education」(THE)は2022年4月28日、大学のSDGs(持続可能な開発目標)に対する貢献度を評価する「インパクトランキング」の2022版を公表した。日本の大学は総合10位の北海道大学を筆頭に全ランキングで84大学がランクイン。2番目に多い国となった。

飢餓や食品に関する取り組みで北大が1位に

インパクトランキングは、気候変動への対策や貧困の解決、不平等の是正など国連のSDGsが掲げる17の目標の実現に向けた大学の取り組みをランク付けしたもので、今回は世界110の国・地域から過去最多の1,524校が参加した。

参加する大学は「SDG17(パートナーシップによる目標達成)」に加え、残る16のSDGの中から3つ以上を選んでデータを提出。ランキングでは17のSDGごとのランキングと総合ランキングを発表する。

今回のランキングで日本は、18の全ランキングに計84大学がランクインし、ランクイン数が2番目に多い国だった。もっとも評価が高かった北海道大学は、SDG2(飢餓をゼロに)で1位となったほか、SDG14(海の豊かさを守ろう)で17位、SDG15(陸の豊かさも守ろう)で18位、SDG17で12位と、いずれも上位20位以内にランクインし、総合10位となった。SDG2では、飢餓に関する研究や食品の持続可能性に関する教育のほか、キャンパスや地域での食品廃棄物の問題を解決する取り組みが評価された。

京都大学もSDG2で3位、SDG9(産業と技術革新の基盤をつくろう)で16位、SDG14が15位で総合19位。日本から2つの大学が、総合ランキングの上位20位に入った。

他の大学も神戸大学がSDG16(平和と公正をすべての人に)で8位にランクインし、SDG9で東北大学が12位、大阪大学が13位タイになるなど健闘。個別ランキングでは上位100位のうちに74校の大学がランクインした。総合ランキングの上位200位に入った大学は7校でアジアの中でタイと並んで最も多かった。

オーストラリアの大学が総合ランキング1位に

総合ランキングで1位となったのはオーストラリアの西シドニー大学で、SDG6(安全な水とトイレを世界中に)で1位となったほか、SDG12(つくる責任つかう責任)で2位となった。SDG6では、水に関する研究や、広域コミュニティにおける良好な水管理を確実にするための取り組みなどが評価された。

総合ランキングトップ100で最も多くの大学がランクインしたのは英国で20校が入った。2位はオーストラリアの17校で、カナダは16校、ニュージーランドは7校だった。

THEの最高知識責任者、フィル・ベイティ氏は「伝統的な欧米の著名大学ではない大学が、新鮮なアプローチの旗振り役として輝き、多様なセクターに刺激的な新しい視点を提供して学生の選択肢を広げていることに、胸の高鳴りを覚える」とコメントしている。