画像:shutterstock ウクライナ国旗を持つ少女
画像:shutterstock ウクライナ国旗を持つ少女

SDGsスタートアップ企業がウクライナ避難民へIT関連の仕事発注や学習サポートなど展開

ロシア侵攻によって避難を余儀なくされているウクライナの人たちを支援しようと、企業のSDGs経営を支援する事業を展開しているスタートアップ「ネクストエージ(本社:大阪市)」が、避難民へのIT関連の仕事の発注や子供たちの学習サポートなどのプロジェクトに取り組んでいる。

ITの仕事を避難民に発注

ネクストエージは、SDGsに取り組む企業に対し、目標達成につながる商品やサービスを提案したり、広報やCSR活動を企画したりするなどのコンサルティング事業を手がけている。同社が目指す社会は「目の前の幸せを急に奪われない社会」だといい、ロシアによる侵攻が始まった直後から、ウクライナの人の支援につながるプロジェクトの検討を始めた。

最初に始めたのは、メタバース(インターネット上の仮想空間)やIT、デザインに関わる仕事をウクライナの避難民に発注することだった。ウクライナはデジタルやITに関する人材が豊富で、東欧のシリコンバレーとも呼ばれる。オンラインでやり取りをすれば、パソコン1台で仕事ができることに目を付けた。

仕事を希望するウクライナ人は数十人を超え、既に仕事を受注した人も多い。ホームページの制作から、システム開発、メタバースの推進など幅広い案件に対応でき、国内外の個人事業主から大手企業まで問い合わせも増えているという。

ヒマワリを育て、子供たちも支援に参加

広く市民がウクライナ支援に参加できるプロジェクトも展開している。

「ひまわりforU」は、企業がひまわりの種を学校に寄贈し、育てた花を生徒たちに一輪300円で販売してもらうプロジェクト。自力でお金を稼ぐことが難しい小学生や中学生、高校生らに、自分たちの力でウクライナを支援する機会を提供しようと企画した。支援先も、児童・生徒たちに自分で決めてもらう。

京都教育大学の教授が代表を務める「外国人の子どもの教育を考える会」とは共同で、ウクライナ語しか理解できない避難民の子供向けの算数・数学教材を制作。学習機会の損失を防ぐため、世界中の避難民のもとに送ることを計画している。

また、Web会議サービスZoomを使って世界中の人たちでウクライナ国歌を歌い、その動画データをNFT資産として販売し、売上をすべてウクライナ支援のために寄付するプロジェクトも進めている。既に数人が撮影を行っており、ウクライナの人たちだけでなく、世界中から100人の参加者を募集する。日本への留学生や学校関係者らに協力を求めるという。

ネクストエージでは「ウクライナの人たちを第一に考えた心のつながりと、本質的で実用的な支援であることを意識してプロジェクトを企画した。ウクライナ支援の活動を広げていきたい」などとしている。