先日息子と一緒に「公民」のテキストを読んでいたら、“人権”の定義が出てきました。
「誰もが生まれながらに持っている様々な権利」と書いてありました。
でも残念ながら、持っているはずの権利を奪われている人々が世界中にいます。
世界の人権侵害を解決するのは誰?どうやって?
中国には、イスラム教を学び収容所送りになったウイグルの人々がいます。
ロシアで真実を伝える報道をしたら、逮捕された記者がいます。
香港には今も、自由を求めたことで自由を奪われ懲役刑を受ける若者がいます。
ミャンマーで公正な選挙を求めることは、もはや命がけの戦闘行為です。
アフガニスタンの女性は、またもや人生の選択肢を失いました。
もちろん、どの国も多かれ少なかれ人権問題を抱えています。でも、最低限選挙を通じて政治を変える道さえあれば、そこには常に、国民の力で問題を乗り越える希望がある。
でも、選挙を通じて政治を変える道そのものが閉ざされている国には、その希望がないのです。
だとしたら国境を超えた解決を目指す。
そのことは、同じ人間として、そして国際社会として当然の取組みではないでしょうか。決して「内政干渉」の反論に屈してはいけないと思います。
そして、この国境を超えて人権問題を解決する強力なツールのひとつが、ビジネスです。
6/21米「ウイグル強制労働防止法」施行で進む人権デューデリジェンス
2011年に国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を定めてから10年以上が経過しました。人権問題のプレーヤーを政治家・NGO・弁護士からビジネスパーソンに広げる動きは、ますます加速しています。
企業に対して、サプライチェーンを通じて人権侵害に関与しないよう対応する責任が強く求められる時代。様々な企業にその責任をフェアに負担してもらうための人権デューデリジェンスの法制化は避けては通れないでしょう。日本を除くG7の国々はどんどんこの法律をバージョンアップさせていますし、EUでも加盟国における法制化の義務化が議論されています。
とりわけ6月21日に施行される米国の「ウイグル強制労働防止法」は、ウイグル産品が一部でも組み込まれている品は、中国によるウイグル人の強制労働の果実である可能性が高いとして、原則輸入を禁止するという厳しい規制。
今の時代、人権に鈍感であることそのものが、ビジネスのハイリスク要因です。
いよいよ日本も、「ビジネスと人権」の企業責任をアップデートする必要があります。
TheTokyoPostでは、人権問題への対応を勝機につなげるビジネスモデルを中心に、日本と世界における「ビジネスと人権」の今を、様々な形でお伝えしていきます!ぜひチェックしてみてください。