男性の育児休業取得を進めるための改正育児・介護休業法が2022年4月から段階的に施行されるのを前に、東京都は3月7日と9日、企業の人事担当者や管理職、父親となる予定の会社員らを対象としたセミナーを開催する。
新しい育児休業制度のポイントを解説
改正育児・介護休業法では、男性の育児休業取得の条件を緩和して、父親と母親が交互に育児休業を取得しやすくするほか、一定規模以上の企業に男性の育児休業の取得状況の公表を義務づける。このため、企業の人事担当者や管理職、子供が生まれる予定の男女に制度を詳しく理解してもらおうと、東京都雇用就業部がセミナーを企画した。
セミナーは2日間行われ、1日目の3月7日(午後2時~4時)は、人事・管理職が対象、2日目の3月9日(午後6時~8時)は父親や母親、子供が生まれる予定の人ら当事者が対象で、法律の改正ポイントや育児休業取得を進めるための取り組みなどについて解説する。講師は、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部チーフコンサルタントで公認会計士の塚越学氏。
1日目のセミナーでは、育児介護休業法の改正の背景や現行制度との違い、法律で義務化される対策のほか、男性が育児休業を取得しやすい職場作りの方法などを解説。2日目は、男性が育児休業を取得することのメリットや、上手な取得方法などについて説明する。
セミナーの会場は東京都江東区亀戸2-19-1カメリアプラザ5Fの亀戸文化センターで、受講料は無料。申込みは東京都労働相談情報センター事業普及課普及担当(電話03-5211-2209)。インターネットは次のURLへ。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/seminar-zchuo-001201/form.php
定員は45名で、定員に達した時点で受付は終了する。
男女で交互に育児休業を取得しやすく
改正育児・介護休業法の大きなポイントは、男性が育児のために休みを取得する際の条件の緩和だ。2022年10月1日から、従来の育児休業に加えて、産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)を新設。子供出生後8週間以内に4週間まで取得が可能で、2回に分けて取得することもできる。
また、現行の育児休業制度も分割して2回取得できるようになり、育休の開始日を柔軟に決められるほか、特別な事情がある場合は1歳以降の再取得も可能とした。これらの改正によって、子育てをする男女が交互に育児休業を取得しやすくなる。
このほか、従業員1000人を超える企業に対しては2023年4月から、男性の育児休業などの取得状況を年1回公表することが義務づけられる。公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」で、前年度の取得率をインターネットなど誰でも閲覧できる方法で公表しなければならない。
22年4月からは、男性が育児休業を取得しやすい職場環境を整備するため、社内での研修や相談窓口の設置、個別の制度周知なども必要となる。
これら法改正の内容や趣旨を広く知ってもらうため、厚生労働省では改正育児・介護休業法を周知するために、専用サイト「イクメンプロジェクト」を開設している。
イクメンプロジェクトのURLはhttps://ikumen-project.mhlw.go.jp/。