山梨県公式HP
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山梨県知事がワクチン未接種者に外出自粛要請 Twitterでは「差別助長」の批判も

感染拡大が続く新型コロナウイルスの対策として、山梨県の長崎幸太郎知事は2022年1月23日、臨時の記者会見を開き、ワクチン2回未接種者に対する不要不急の外出自粛要請を含む拡大防止策を発表した。しかし、Twitterでは「外出自粛要請は差別を助長する」などの批判の声が相次ぎ「ワクチン未接種者」のワードがトレンド入りしている。

「未接種の人は感染率が高い」と自粛求める

山梨県では、感染の急拡大を受けて23日に新型コロナウイルスの総合対策本部会議を開催。会議の結果を受けて、長崎知事は臨時会見を開き、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、県民や事業者に対する臨時特別協力要請を行った。期間は同年2月13日まで。

県によると、23日の新規感染者数は155人で、直近1週間当たりの患者数は995人となっており、過去最多。急速な感染拡大で医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しつつある。入院者と宿泊施設での療養者数を合計した人数は 1,109 人で、重症者用病床を除く病床と宿泊療養施設を合わせた病床等使用率は、22日時点で70.7%となっている。

会見で長崎知事は、県内の感染状況を踏まえ、県民に対して「ワクチンの2回接種を終えていない人は通勤、通学、通院など、やむを得ない事情がある場合を除いて、不要不急の外出や移動を自粛してほしい」と要請。「未接種の人は、接種済みの人と比較して、感染の発生率と重症化リスクが高いことから、健康を守っていくために協力をお願いしたい」と新たな感染を防ぐための措置だとした。

また、事業者に対しても、従業員に接種を強く勧奨するとともに、ワクチンの2回接種を終えていない従業員にはテレワークを推奨し、不特定多数の人と接する業務を控えさせこうしたるよう求めた。

偏見に基づく差別と厳しい批判相次ぐ

山梨県知事によるワクチン未接種者への外出自粛要請は、Twitterでも話題となり、「ワクチン未接種者」「不要不急の外出自粛要請」などのワードがトレンド入りするなど高い関心を集めている。

多くは外出自粛要請に対する批判で、「現実には2回接種者が次々と感染している。未接種者だけ外出自粛を求めるのは偏見に基づく差別」「ワクチン未接種者への外出自粛は人権侵害」など、差別を助長するもので人権侵害だという厳しい指摘が相次いだ。

実は山梨県も県ホームページの新型ワクチン接種の案内の中で、わざわざ「ワクチン未接種者への差別について」との項目を設け、「ワクチン接種を受けることは本人の意思によるものであり、接種を強制し、未接種者に対して差別や不当な扱いをすることは絶対にあってはなりません」と訴えている。それだけに、こうした呼びかけと今回の措置は矛盾しているようにも見える。

今回の外出自粛要請と接種勧奨が多くの人から「人権侵害」と批判されたことを受けて、県がどのような対応を取るのか注目される。