2022年7月10日に投開票が行われた第26回参議院選挙は、自民・公明の与党が過半数を占め「大勝」とも伝えられるが、比例代表の結果をみると、そうとは言い切れない面が見えてくる。「党派別得票率」から見えてくる意外な選挙結果とは。
得票率を伸ばしたのは維新 自民・公明はマイナス
参院選挙は、各都道府県単位の選挙区(鳥取・島根と徳島・高知は合区)ごとに個人を選ぶ選挙区選挙と、全国1区で政党名もしくは政党から立候補している個人に投票する比例代表選挙で行われる。比例代表では、政党ごとに得票数を集計し、得票率に応じて議席を配分する。
各党の得票率を見ると、自民党が最も高く34.4%で、ついで日本維新の会の14.8%、立憲民主党の12.8%、公明党の11.7%と続く。共産党は6.8%で、国民民主は6.0%、れいわ新選組は4.3%を獲得した。
党の存続の危機と言われた社民党は政党要件である「得票率2%」をクリアし、2.4%を獲得。NHK党も2.4%を得た。また、初めて議席を獲得した参政党は3.3%を得て、政党要件を満たした。
このうち、前回2019年の参議院選挙にも届け出た政党の中で、得票率を伸ばしたのは、5.0ポイントプラスの維新をはじめ、NHK党と社民党のみで、実は自民も公明も得票率を落としている。自民は0.9ポイント、公明は1.4ポイントのマイナスで議席数も前回から1議席ずつ減らしている。比例代表の結果だけを見れば、必ずしも大勝とは言い切れない。
10代、20代の支持で得票率を伸ばした国民民主
ハフポスト日本版(7月11日付)によると、21年10月に行われた衆院選の比例代表の得票率と比べてみても、自民党は0.3ポイント得票率を落としており、公明党も0.7ポイントのマイナスとなっている。一方で、維新は0.8ポイント伸ばしており、自民党に投票していた保守層の一部は、参院選で維新や参政党に流れたと見られている。
衆院選と参院選を比較して、最も得票率を落としたのが立民で、7.2ポイントと大幅なマイナスだった。19年の参院選と比較しても3.0ポイントのマイナスとなっている。
19年の参院選より得票率を減らしたものの、衆院選と比べれば伸ばしたのが国民民主で、1.5ポイントのプラスとなった。国民民主の特徴は10代、20代からの支持が高いとみられることで、日本テレビと読売新聞が行った参院選の出口調査では、10代、20代の投票先として約10%を占め、自民、立民に次いで3番目となった。
これについては、国民民主の玉木雄一郎代表も11日の記者会見で「比例代表の得票数は前年の衆院選から増えている。それはそれで評価すべきだ」などと述べ、前向きにとらえていた。
得票率を見ると、全体的に小規模な政党が得票率を伸ばす傾向にあり、今後の国政選挙でも同様の傾向が続くのか、注目される。