画像:岸田文雄首相 (c)首相官邸 
画像:岸田文雄首相 (c)首相官邸 

岸田首相発表の物価高対策や節電ポイントを付与の方針にSNS荒れ模様

ロシアのウクライナ侵攻を機に世界的な物価上昇が続く中、日本政府は2022年6月21日、物価・賃金・生活総合対策本部の初会合を開いた。本部長の岸田文雄首相は、価格高騰が著しい品目や地域の状況に応じてきめ細かな対応を講じていくほか、電気料金については消費者向けに節電に応じてポイントを付与する制度を導入することなどを明らかにした。

節電量に応じてポイントを付与

会合では、価格動向に関するヒアリングを行ったうえで、物価上昇による影響や課題について議論。最後に議論を踏まえて、岸田首相が今後の対策の方針を表明した。

岸田首相によると、13兆円規模の総合緊急対策を着実、迅速に実行し、物価高騰の影響から国民生活や事業を守っていく。

具体的施策としては、価格の上昇に加え供給不足も懸念されている電力について、節電に取り組んだ家庭に対し、節電量に応じて幅広く利用できるポイントを付与する制度を整備する。企業に対しても、節電分の一定割合を電力会社が買い取る制度を導入することで、実質的に電気料金を軽減する。

食料品の分野でも農産品の生産コストの1割削減を目指し、化学肥料使用量の低減などに取り組む農家に対し、価格上昇による生産コストへの影響を緩和する新しい支援金の仕組みを創設する。

政府が買い付けて製粉業者などに売り渡す輸入小麦の価格も既に2~3割上昇しており、政府は価格を9月まで据え置くほか、10月以降も価格抑制策を検討する。

臨時交付金で自治体の独自対策を後押し

都道府県や市町村など地方自治体が独自で行っている取り組みも財政面から支援する。1兆円の地方創生臨時交付金を交付し、生活困窮者への給付金や公共料金引き下げ、給食費の減免などの施策を後押しする。今後、5.5兆円の予備費も活用して、交付金のさらなる増額を検討するという。

また、新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、7月前半にも「GoToトラベル」や「県民割」に代わる「全国旅行支援」を開始する。

賃上げの持続的な取り組みも

一方、岸田首相は賃上げにも継続的に取り組んでいく考えも示した。今年度の最低賃金については早期に全国平均1,000円以上とすることを目指し、官民で議論を進める。

岸田首相は「中小企業の価格転嫁の円滑化に向けた施策を進めていく一方、国民生活を守るためにも、便乗値上げには厳正に対処していく」とも述べたうえで、「国民の声に耳を傾け、生活に直結する食料品価格や穀物価格、エネルギー価格などの物価動向や、経済に及ぼす影響を注視し、きめ細かく、切れ目なく対応していく」との決意を表明した。

Twitterでは節電やポイントの効果を疑う声

この速報に対し、Twitterではとくに「電力ポイント」について疑問視するツイートが多くみられた。

国民民主党代表玉木雄一郎氏は「ポイント還元するなら、税の還付か現金給付してください。また、そもそも今政府がやるべきは、節電のお願いではなく、電力の安定供給の確保では」とツイートした。

また、小沢一郎氏は「これのどこが物価高騰対策なのか?もはや「やってるふり」にもならない。光熱費、ガソリン代、食料品、全てがおそろしい勢いで値上げ。減税で対処しないと、どうにもならない」とツイート。

電力供給のために原発再稼働を求める声もあり、エネルギー問題と物価高は7月10日の選挙の目玉となることは間違いない。