画像:shutterstock 国会議事堂
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移民政策に関する政党アンケート結果 技能実習制度や参政権を各党はどう考えている?

日本で暮らす国外からの移住者らの支援活動に取り組んでいるNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」は2022年6月20日、参議院選挙の公示を前に、与野党9政党に対する「移民政策に関する政党アンケート」の結果を公表した。

共産・れいわ・社民は移民政策推進に前向き

移民政策に関する政党アンケート2022参院選 ©NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク
移民政策に関する政党アンケート2022参院選 ©NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク

22年秋には、技能実習制度や特定技能制度の見直しのほか、21年に廃案となった入管法案の再提出などが行われるとの見方がある。

このため同ネットワークは、今回の参院選の結果は日本が移民社会として移民や難民の人権と尊厳が保障される制度を構築していくのかどうか、移民政策の今後を左右する可能性があると指摘。参院選の争点として、移民政策の違いを明らかにしようとアンケートを実施した。

アンケートの対象は国会に議席を持つ与野党9党で、5月26日から6月16日にかけてインターネットを通じて回答を求めた。質問は、外国人労働者や入管法などの政策に関する11項目で、それぞれ「賛成」「反対」「どちらともいえない」の中から選択したうえで、理由を記述してもらった。

全体の傾向としては、共産党、れいわ新選組、社民党が11項目すべてに賛成し、立憲民主党も「永住・定住外国人の地方参政権を認めるべきだ」など2項目で「どちらともいえない」とした以外は、9項目で「賛成」と回答した。

一方、自民党は「在日外国人の健康保険加入を認めるべきだ」など6項目で「反対」と回答し、残りも「どちらともいえない」だった。NHK党は8項目で「反対」と回答した。

公明党、国民民主党、日本維新の会は「どちらともいえない」という回答が大半だった。

健康保険加入や参政権で賛否分かれる

個々の設問を見ると、設問に対して「反対」が一つもなかったのは「労働者としての権利が保障された受入れ実現のため、外国人技能実習制度は廃止すべきである」と「非正規滞在者などへの在留特別許可については、子どもの最善の利益や家族の結合権など、国際人権基準に基づいて判断すべきだ」の2つ。立憲、共産、れいわ、社民が賛成し、その他の政党は「どちらともいえない」だった。

賛成が最も多かったのは「外国人に対する日本語教育を国の責任で実施すべきだ」で、公明、立憲、維新、共産、れいわ、社民の6党が賛成。自民と国民は「どちらともいえない」で、NHK党は反対した。

逆に賛成と反対が分かれたのが、在日外国人の健康保険加入と、永住・定住外国人の地方参政権で、健康保険加入には自民、国民、NHK党の3党が反対し、立憲、共産、れいわ、社民の4党が賛成。地方参政権には、自民、維新、NHK党の3党が反対し、公明、共産、れいわ、社民の4党が賛成した。

同ネットワークはアンケート結果を、参議院選挙で投票先を考える際の参考にしてほしいと有権者に訴えている。