画像:shutterstock ロシア原油 ロシア油田 シベリア油田
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ロシア依存エネルギー 各国対応の一週間 米欧日

ロシアのウクライナ侵略が続く中、米国のバイデン米大統領は2022年3月8日、ロシア産の原油や天然ガス、石炭などの資源と関連製品の輸入を全面的に禁止すると発表した。米国単独の措置で、追随するかどうかは各国の判断に委ねる。日本の岸田文雄首相はエネルギーの安定供給の観点から、慎重な姿勢を見せている。

米国がロシア産原油などを全面禁輸他国に同調を求めず

10日付の時事通信の報道によると、バイデン大統領はホワイトハウスで記者会見を開き、「ロシア経済の大動脈に狙いを定め、原油、ガス、エネルギー輸入を全面的に禁止する」と表明。「プーチン(大統領)の戦争マシンに強力な打撃を与える」と述べた。

この措置によって、8日からロシア産の石油、天然ガス、石炭や関連製品を新規に輸入できなくなる。米国人がロシアでエネルギー分野への新規投資に関わることも禁止される。

英国も同日、米国と歩調を合わせ、今年末にかけて段階的にロシア産原油の輸入を停止すると発表したが、今回の措置は米国単独のもので、他国に同調は求めていない。この点についてバイデン大統領は「世界中の同盟国、特に欧州と緊密に協議して決めた。欧州の同盟国・有志国の多くが参加しないと理解したうえで禁輸する」と説明した。

エネルギー安保から日本は慎重姿勢

9日付日本経済新聞によると、米国がロシア産原油など資源の禁輸に踏み込めたのは、ロシアからの輸入量が欧州に比べて少ないという事情がある。米エネルギー情報局の統計によると、米国が2021年に輸入した原油・石油製品に占めるロシア産の割合は7%台で、同年12月には単月で4%台にまで減った。一方で、欧州連合(EU)では原油輸入量の約3割をロシアに頼っている。

実際に、ドイツのベーアボック外相は8日、ロシア産原油の禁輸について「即時に禁輸したら、数日内に国内移動ができなくなる」と語ったという。ドイツは原油輸入量の3分の1をロシア産が占めている。

日本はEUほどロシアにエネルギーを依存しているわけではないが、やはり米国のように直ちに禁輸措置に踏み切れるような状況にはない。10日付産経新聞によると、日本はエネルギー安保の観点から中東依存の脱却を進めており、21年には原油の3.6%、液化天然ガスの8.8%をロシアから輸入している。

こうしたことから、岸田首相は9日の記者会見で、「米国は同盟国の多くが参加する立場にないことを理解したうえで、禁輸措置を進めている。米国はエネルギーの純輸出国であり、他の国々ができないような場合でも、(禁輸)措置ができる」としたうえで、「わが国は、そうした状況を踏まえつつ、(エネルギーの)安定供給と安全保障を国益として、G7をはじめとする国際社会と連携し、しっかり取り組んでいきたい」と述べ、禁輸措置には慎重な姿勢を見せた。