画像:国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ ウェビナー告知
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AV強要問題やリベンジポルノなど「デジタル性暴力の現状と課題」を考えるトークイベント

意に反したアダルトビデオ(AV)への出演やスマホやSNSなどを使ったリベンジポルノなどデジタル性暴力の実情や課題を広く知ってもらおうと、国際人権NPOヒューマンライツ・ナウは2022年2月22日、オンライントークインベント「デジタル性暴力の現状と課題」を開催する。

人権が尊重されないAV業界の現状

トークイベントでは、近年、社会問題となっているAVへの出演強要やインターネットへの映像流出などの問題について考える。

話をするのは、AVを含むポルノ被害の深刻さを社会に訴える活動を行っているNPO法人ぱっぷすの金尻カズナ理事長と、AVに出演した頃の画像を勝手に使われたとしてアダルトグッズメーカーを訴えた写真家の大塚咲さん。

金尻さんは、AV出演や性産業に関わったためトラブルに巻き込まれた人たちや、リベンジポルノ・児童ポルノの被害に遭った人たちの支援などに関わった経験をもとに、AV出演強要などデジタル性暴力の現状について報告。新型コロナ感染症拡大以降、相談が増える傾向にもあるという。

大塚さんは「肖像権と尊厳を守る戦い」と題して、訴訟に至るまでの経緯や裁判についての思いなどを語る。裁判で大塚さんは、メーカー側に大塚さんの名前や写真を使った商品の販売差し止めや在庫の回収、破棄などを求め、22年1月、メーカー側が要求を全面的に受け入れて和解が成立した。全面勝利と言っていい内容だったが、訴えを起こしてから2年半が経っていた。

人としての尊厳を守るための戦い」大塚咲さん

大塚さんは現在、画家や写真家として、セルフポートレートや女性を撮影した写真などを発表している。

しかし、15歳でレイプされて心身ともに傷付き、男から性の対象にされることに苦しんだ末に、いっそのこと性の世界に飛び込んでしまおうと、18歳でAV女優となった過去を持つ。約8年間、女優をしていたが、引退後は画家となり、その後、写真家としても活動を開始。2017年には自叙伝「よわむし」を出版して、過去のつらい体験を赤裸々に綴っている。

Webサイト「弁護士ドットコムニュース」(2022年2月12日付)の記事によると、大塚さんが自分の名前と写真を使ったアダルトグッズが無断で発売されているのを知ったのは2019年6月。引退から7年が経っていた。

弁護士を通じて販売停止を求め、メーカー側も販売中止を約束したものの、その後も販売されていた商品があったため、提訴したという。

裁判でメーカー側は、過去にAVに出演し、今も作品が流通していることを理由に「責任は大塚さん本人にある」などと主張していたが、大塚さんの主張がほぼ全面的に認められる形で和解が成立した。

イベントでは、肖像権をはじめとする女優の人権がないがしろにされがちなAV業界から、人としての尊厳を守ろうと戦った大塚さんの思いなどを聞き、デジタル性暴力の問題解決に向けた方策について考える。

イベントは2022年2月22日(火)午後7時から午後9時で、Zoomウェビナーによるオンライン開催。参加費は無料。参加申込みはhttp://ptix.at/iLjijLへ。