画像:痴漢防止バッジ (c)一般社団法人痴漢防止活動センター
画像:痴漢防止バッジ (c)一般社団法人痴漢防止活動センター

女子高校生に人気の企業がタッグを組み「痴漢抑止活動PRキャンペーン」

美容雑貨の企画・販売などを手がけるサン・スマイルは、一般社団法人痴漢抑止活動センターと共催で、4月28日から2週間「痴漢抑止活動PRキャンペーン」を展開すると発表した。キャンペーンには「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスやアパレルショップ「WEGO」を展開する株式会社ウィゴーら女子高生らに人気の企業も参加する。

店頭などでポスターの掲示やリーフレットの設置

サン・スマイルは主に10代、20代の若者向けのブランドやサービスを展開しており、「日本の若者が直面している社会的問題」をテーマにCSR活動を展開しようと取り組み内容を検討。その中で電車通学時の痴漢被害を防止する活動をしている痴漢防止活動センターを知り、キャンペーンの実施を決めたという。

同様に女子高生ら若い世代から人気のある企業に協力を求め、ウィゴーら2社のほか、若者向けWebマガジン「Emo!miu(エモミュ―)」や高校生マーケティングを専門とするアイ・エヌ・ジーもCSR活動の一環として参画することになった。

取り組みとしては、人気イラストレーターの竹中さんにオリジナルのイラストを依頼。「NO」と意思表示する女子高生のイラストなどを使ったポスターやリーフレットを作成した。「悪いのは被害者ではなく加害者である」というメッセージを込めるとともに、痴漢にあったときの相談先を掲載。痴漢防止活動センターが女子高生らへの普及を図っている「痴漢防止バッジ」の申し込み方法も紹介している。

キャンペーン期間中、参加企業などの協力を得て、関東や関西の繁華街、ターミナル駅近隣にある店頭や施設内でポスターの張り出しやリーフレットの設置を行う。

「痴漢は人権問題」と訴える

キャンペーンを共催する痴漢抑止センターは2016年、誰もが安心して利用できる安全な公共交通機関を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与するために設立された。「痴漢は犯罪です」「私は泣き寝入りしません」などと書かれたバッジを通学カバンに付けて痴漢行為を抑止することを呼びかけ、学校での防犯講座も行っている。

警視庁の発表によると、東京都内における痴漢の検挙数は、新型コロナの感染防止で外出が控えられていた20年度でも年間約1300件にのぼった。これについて、サン・スマイルは「痴漢は被害者の心に深い傷を残す。被害が原因で電車に乗れなくなり不登校になったり、被害を受けたことで自尊感情が削られたりするなど、たかが痴漢と見過ごすことはできない人権問題」だと指摘。「加害者と被害者が大人と子供という構図になっている性犯罪に対し、許さない社会の目も重要な役割を果たす」と訴えている。