画像:shutterstock ウクライナ国旗を持つ少女
画像:shutterstock ウクライナ国旗を持つ少女

無料語学アプリDuolingoの「ウクライナ語入門書 日本語版」緊急公開

無料語学アプリDuolingo(デュオリンゴ)を運営する米国企業Duolingoは2022年3月18日、ウクライナ語の基礎知識を紹介する「ウクライナ語入門書 日本語版」を緊急公開したと発表した。また、同社はウクライナ語を勉強している利用者からの広告収入をすべてウクライナ救済のために寄付する。

似て非なるウクライナ語とロシア語の違いを解説

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、連日のニュースやSNSへの投稿などで、世界中の人たちがウクライナ語やロシア語に接する機会が増えている。また、ウクライナ語を勉強する人たちも世界中で増加しているという。このため、同社ではウクライナ語とロシア語の違いや、言葉の歴史的、社会的背景を知ってもらおうと、言語学者らによる解説を公開した。

公開された「ウクライナ語入門書」によると、ウクライナ語とロシア語は1000年以上前に「スラブ祖語」から始まった、いわば「いとこ同士」の言語で、チェコ語やポーランド語などとも関係がある。

文字は、キリル文字の一種を使用し、ロシア語と多くの文字が共通しているが、ウクライナ語固有の音を表すための独自の文字もいくつかある。発音だけでなく、文法でも大きく異なる点がいくつかあり、ロシア人でウクライナ語を話せたり理解できたりする人はほとんどいない。一方、ほとんどのウクライナ人はロシア語も話せるが、これはソ連時代、ロシア語が公用語とされた歴史があるからだ。

例えば、ウクライナの首都は「キエフ」と報じられているが、これはロシア語読みで、ウクライナ語では「キーフ」と呼ぶ。また、「ウクライナ」を発音するときに、アクセントをどこに置くかによって、「広大な領土の辺境の地」という意味合いを持たせたり、ウクライナの主体性を主張したりすることもできるという。

ウクライナ侵略後、ウクライナ語を学ぶ人は世界で5倍近くに

同社によると、ウクライナ侵攻が始まって以降、Duolingoを利用してウクライナ語を勉強する人の数が世界で485%増加した。とりわけ、ポーランドでは、ウクライナ語を学ぶ人が18倍になったという。

同社は、ウクライナ語学習によって得た広告収入を全額ウクライナの救援活動に寄付。また、Duolingoが運営するオンライン英語テスト「Duolingo English Test」では、ウクライナ人学生に対して受験料を免除している。

同社では、Duolingoの利用者に対し、「ウクライナ語やその他のスラブ語派の言語を話せるのであれば、国境なき翻訳者団と共にボランティアを行うことでウクライナ国民を支援することができる。もしお金を寄付することができるのなら、ユニセフがウクライナの子供たちを助けるための努力を全力で行っている」とウクライナへの人道支援への参加や協力を呼びかけている。

Duolingoは無料のオンライン学習プラットフォームで、科学的な研究に基づく短時間の語学レッスンを提供している。全世界40言語で103コースを展開し、日本版では英語、中国語、韓国語、フランス語のレッスンが受けられる。

日本でのウクライナ避難民受け入れは100人未満に留まるが、受け入れ地域の人にとっては強い味方となりそうだ。