物価上昇INFLATION 画像:shutterstock
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企業が政策で重視するのは「資源価格上昇」「サプライチェーン課題」経団連調査

日本経団連は2022年6月14日、会員企業を対象にした「政策要望等に関するアンケート」の集計結果を公表した。今後1年程度で重要視する事業上のリスクについて、「資源価格の急激な上昇」や「サプライチェーンを巡る課題」と回答した企業が多く、ウクライナ情勢の影響への懸念が広がっていることが分かった。

ウクライナ情勢の影響を懸念

調査は、企業が重要視している事業遂行上のリスクや政策要望などを把握するために、4月21日から5月18日まで企業会員1,509社を対象に実施。220社から回答があった。規模別に見ると大企業が179社で、中堅・中小企業は41社、業種別では製造業98社、非製造業が122社だった。

アンケート結果によると、短期的に重要視する事業上のリスクを複数回答で尋ねたところ、「資源価格の急激な上昇」(50.9%)が最も多く、次いで、「サプライチェーンを巡る課題」(47.7%)だった。いずれの回答も21年秋の前回調査に比べて高く、特に「資源価格の急激な上昇」は13.9ポイント上昇した。製造業のうち約6割が、どちらも重大なリスクとしてとらえている。

「国内外での感染症の長期化」に対する懸念も45.9%と依然として高いが、前回調査に比べると、マイナス30.1ポイントと大幅に低くなった。

また、今後2~5年程度の中期的なリスク(複数回答)については、「必要な人材の不足」(36.4%)と「従来型ビジネスモデルの陳腐化」(35.0%)が、前回調査に続いて上位を占めた。

資源価格や金融市場の安定化策を求める

今後1年程度の短期的に政府が重点的に取り組むべき施策(複数回答)について尋ねたところ、最も多かったのが「資源価格変動への対応」で51.4%。前回調査から19.4ポイント上昇した。次いで「国内外の人の往来に関する措置の適正化」の49.5%、「金融・資本市場の安定化」の38.6%が続いた。「金融・資本市場の安定化」は前回調査に比べ21.1ポイント上昇、「サイバーセキュリティの向上」も11.4ポイント上昇して25.9%となった。

今後2~5年程度の中期的な政府への政策要望(複数回答)では、「DX推進への支援」が50.5%、「GX推進への支援」が47.7%となり、どちらも前回調査と同様、製造業・非製造業を問わず、約半数の企業が挙げた。次いで、「資源価格変動への対応」が33.6%で、前回調査より14.1ポイント上昇。「金融・資本市場の安定化」も7.8ポイント上昇して32.3%と、中期的にも資源価格や金融市場の安定化に向けた政策を求める声が増えた。

資源価格や原材料価格上昇の影響については、77.5%の企業がマイナスの影響があると回答。資源価格・原材料価格上昇への対応(複数回答)としては、「販売価格への転嫁」を挙げた企業が78.2%。「コストカット等の経費削減」とした企業が69.7%だった。