記者会見する認定NPO法人フローレンス代表駒崎弘樹氏 画像:PRTIMES
記者会見する認定NPO法人フローレンス代表駒崎弘樹氏 画像:PRTIMES

未就園児の家庭が孤独感深めるとNPO調査結果 働く親のためだけの保育園でいいの?

子育て支援や子供の虐待死問題の解決に取り組む認定NPO法人フローレンスは2022年6月15日、未就園児がいる家庭の子育ての現状と定期保育サービスの利用ニーズに関するアンケート結果を公表した。未就園児の保護者は子育てで孤独を感じやすいといい、同法人は、現在は保育所などを利用できない専業主(婦/夫)でも保育園を利用できる制度の実現を求めている。

7割が保育サービスを「利用したい」

アンケートは日本総合研究所と共同で、22年3月3日~7日まで、長子が保育所や幼稚園を利用していない未就園児の保護者2,000人を対象にインターネットを通じて実施した。

アンケート結果によると、未就園児のいる保護者のほうが、定期的に保育サービスを利用している家庭よりも「子育ての中で孤独を感じる」と回答した割合が10.6ポイント高く、未就園児をもち、親の年齢が10代~20代の若い家庭では「子育ての中で孤独を感じる」と回答した人が5割以上を占めた。

また、子育ての中で孤独を感じている保護者の70.6%が定期保育サービスを「利用したい」と回答。子育ての中で「手をあげてしまいそうなことがある」「怒鳴ってしまうことがある」といった回答をした保護者のほうが、そうでない家庭と比べて定期保育サービスを「利用したい」割合が高い傾向も見られた。

定期保育サービスの利用意向と虐待リスクアンケート/認定NPO法人フローレンス
定期保育サービスの利用意向と虐待リスクアンケート/認定NPO法人フローレンス 
と孤独感集計/認定NPO法人フローレンス
定期サービスの利用状況と母親の年齢と孤独感集計/認定NPO法人フローレンス

一方で、「子供がかわいくてたまらない」と感じるかどうかの問いに対し「あてはまらない」と回答した保護者の7割以上が「定期保育サービスを利用したいと思わない」と回答するなど、子供への愛着が乏しい保護者ほど、定期保育サービスへの関心が低いという皮肉な状況も明らかになった。

専業主(婦/夫)家庭も保育園を利用できる制度を

一時期、保育所を利用したくてもできない待機児童の存在が問題となったが、市町村による受け入れ態勢の拡大や少子化の進展によって、最近は空き定員数も増えている。このため、同法人は国の調査結果をもとに保育所などの空き定員数を試算した。

その結果、22年時点ですでに計46万人程度の空きがあり、その後も増加傾向であることが判明。待機児童が多く発生していた0歳児や1、2歳児でも今後継続してそれぞれ10万人以上の空き定員数が見込まれるという。

また、保育所などの空き定員を利用して、未就園児を受け入れられるか試算した結果、地域や年齢を考慮しなければ、22年度時点ですでに未就園児計145万人全員を週1回受け入れられることが分かった。

現行制度では、保育所は保護者が働いており、他に面倒を見る人がいないなどの理由で、「保育の必要性」が認められなければ入所できない。そのため、入所をあきらめ、家の中で子供と保護者が孤立を深めているケースもある。

同法人では、アンケート結果を踏まえ、未就園児のいる家庭は「孤独な子育て」に陥りやすく、24時間、乳幼児と過ごすことでストレスがかかり、虐待リスクも高まる可能性があると指摘。待機児童問題が解消している地域から、空き定員枠を活用して、従来は入所できなかった専業主(婦/夫)家庭でも週1~2日から、保育所などを利用できるようにしてほしい、と訴えている。