ヨガマットを持つ女性グループ 画像:shutterstock
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日本は子宮頸がん予防後進国!HPVワクチンを学ぶオンラインセミナーをNGOが開催

日本では副作用への不安から、欧米諸国に比べて接種率が低いHPVワクチンやHPVと子宮頸がんの関係について知ってもらおうと、国際協力NGOジョイセフが2022年5月25日から、HPVについて学ぶオンラインイベントを開催する。

ワクチン接種率が著しく低い日本

HPVとは、ヒトパピローマウイルスのことで、性的接触によって人から人へと感染することがわかっている。厚生労働省ではこう警告する。

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています

厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」より

子宮頸がんは、HPVワクチンの接種によってHPA感染を防ぐことができる「予防できるがん」だ。

WHOも2020年、子宮頸がん撲滅のため、2030年までに「15歳未満の女性のワクチン接種率90%」「35、45歳女性の検診受診率70%」を達成するとの目標を掲げている。

日本でも2010年から13歳から16歳の女性を対象に公費助成が始まり、13年からは12歳から16歳の女性を対象とした定期接種となったが、接種後の「副作用とみられる症状」が大きく取り上げられるようになり、ワクチン忌避の声が大きくなったため、同年6月、厚生労働省は積極的勧奨の差し控えを発表した。

しかし、世界的には女性への接種率が高まっており、有効性も認められている。オーストラリアや英国のようにワクチン接種率が85%以上の国も存在する。さらに、英国は男性がキャリアとなるピンポン感染を防ぐため、2019年から男子を対象とした接種プログラムも開始しているほどだ。

それに対し、日本では接種率が0.1%という年代もあるほど接種率が低く、子宮頸がん患者の数も増加傾向にある。これは先進国では異例な数字だ。このため、厚生労働省は22年4月から再び、ワクチン接種を積極的に勧奨することになった。

HPVに関する講演や意見交換会をオンラインで

ジョイセフでは、国がワクチン接種の積極的勧奨を再開したのを機に、女性特有の病気である子宮頸がんの予防について考えてもらおうとオンラインイベントを企画した。イベントは5月25日から6月15日までの間に4回開催され、期間中の5月28日は「女性の健康のためのアクション国際デー」にあたる。

5月25日19時半からは「HPVってなんですか」をテーマに、産婦人科の宋美玄医師がオンラインで講演。HPVの特徴や感染予防に必要なことなどを解説する。

6月1日からは毎週水曜日の19時半から、世代や立場に分かれてHPVやHPVに関する意見交換会を3回実施。6月1日は「HPVや子宮頸がんについて学びたい30歳未満」、8日は「HPVや子宮頸がんについて学びたい30歳以上・保護者」、15日は「HPVや子宮頸がんについて情報共有したい医療従事者」を対象とする。いずれも参加無料だが事前の申し込みが必要で、意見交換会は毎回、定員30人。

ジョイセフでは「実際にHPVワクチンを接種した方や接種を迷っている方など、さまざまな方々と意見交換ができる場にしたい」としている。

参加申し込みは以下の申し込みフォームで。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd2ck7GIu5DhpOzeLsXLR4rYRljuBx6stuwVsliQTYgnsPeAA/viewform