画像:shutterstock ワクチン接種
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岸田首相「ワクチン接種1日100万目標」に国民玉木代表「いいけど遅い」

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について岸田文雄首相が2022年2月7日の衆議院予算員会で、2月後半までに1日100万回の接種を目指す考えを明らかにした。目標を掲げて接種を加速化させるのが目的だが、「取り組みが遅い」との批判もある。

2月後半にも1日100万回と岸田首相

7日は、予算委員会で新型コロナウイルス感染症対策などの集中審議が行われた。この中で岸田首相は「2月のできるだけ早期に1日100万回までペースアップすることを目指して取り組みを強化する」と述べた。また、100万回達成の時期については、2月後半の目標達成が可能との見通しを示した。

前政権の菅義偉前首相は、ワクチン接種について1日100万回の目標を掲げ、接種を強力に推し進めたが、岸田首相はこれまで数値目標の設定に慎重だった。7日付け産経新聞(オンライン版)によると、これは、1、2回目の場合、接種間隔が3~4週間程度と短く、ほぼ同時期に接種を進められたのに対し、3回目は2回目から6カ月以上空ける必要があり、当初の対象者が少なかったためだという。2日の衆院予算委員会でも岸田首相は「一律に何万人という目標を掲げるのが適切か」と述べていた。

しかし、オミクロン株による感染拡大で、与野党から接種の遅れを指摘する声が上がるようになり、菅前首相を引き合いに数値目標の設定を求める意見も強まっていた。

「遅い」の批判の一方、「3回目は打ちたくない」の声も

「いいけど遅い。1月末に2回目接種から6カ月を経過した人で3回目接種できた人は約3割に過ぎません。英米当局の報告では5カ月で発症予防効果は10%未満に低下。6カ月間隔でも遅いくらい。情報発信ももっと強化を」

「岸田首相が100万回達成に向け関係閣僚に指示を出す」とマスコミが一斉に報じた2月7日、国民民主党の玉木雄一郎代表は、岸田首相の対応を「遅すぎる」と批判した。首相にリーダシップと情報発信を求めたものだが、これには同調する声のほか、3回目ワクチン接種を倦む発言など、さまざまな反応が寄せられた。接種券はまだ届かない、届いたが予約できないという声もあり、接種体制が整っていない自治体があることもうかがわせた。

ワクチンの有効性や安全性に関して、政府は首相官邸のホームページに「新型コロナワクチンについて」という特設ページを開設。ワクチンに関する情報提供を行って積極的な接種の検討を呼びかけている。 岸田首相が1日100万回という目標を達成するには、市町村の接種体制の整備のほか、国民の一部にあるワクチンへの不信感や不要論の解消も鍵になりそうだ。