プーチン ロシア大統領
プーチン ロシア大統領

ロシアのウクライナ“軍事侵攻”に研究者らが警鐘「ロシアに対する経済制裁を」

ロシアによるウクライナ侵攻が懸念される中、慶応大学の鶴岡路人総合政策学部准教授と東京大学の小泉悠先端科学技術研究センター専任講師が2022年1月19日、BS日テレの『深層NEWS』に出演。「日本はウクライナ侵攻を前提に外交政策の腹を決めるべきだ」と、政府に西側諸国と歩調を合わせた対応を求めた。

「露は本格的な戦争準備を進めている」の認識で一致

現在、ロシアはウクライナとの国境付近に10万人以上の部隊を展開しているとされ、米国はロシアが近く侵攻を開始する可能性があると危機感を表明している。

番組で鶴岡氏と小泉氏は「ロシアはいつ軍事侵攻してもおかしくない」との認識で一致。そのうえで、鶴岡氏は、ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合、「日本はG7の一員としてロシアに対する経済制裁をしっかりしてほしい。欧米などから要請される前に、どう対処するのか真剣に考えないといけない」と述べた。

小泉氏も、ウクライナ問題に適切に対処しなければ、台湾有事がおきたときに欧州の協力を得られない可能性があると指摘。「大規模侵攻があるという前提で、私たちは外交政策の腹を決めるべきだ」と日本の立場を明確することが必要だとした。

また、読売新聞の飯塚恵子編集委員も「ウクライナ問題は主権国家の主権という問題であると同時に人権問題。岸田文雄首相は民主主義、人権を重視するという立場から経済制裁を含めて対応すべきだ」と政府に厳しい対応を求めた。

鶴岡氏は現代欧州政治と国際安全保障が専門。小泉氏はロシアの軍事・安全保障を専門にしている。

「ロシアの目的は欧州の現状変更」との指摘も

ウクライナ問題について、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2021年12月23日の記者会見で、ソ連崩壊後に北大西洋条約機構(NATO)が進めてきた東方拡大に問題があると主張。「NATOが東に拡大しないとの約束が90年代にあった。しかし、私たちは騙された。私が何かを保証するのではなく、欧米が私に保証すべきだ」と述べ、ウクライナ情勢の今後は欧米の対応次第だとした。プーチン大統領の発言について小泉氏は「ソ連崩壊後の欧州の秩序を書き換えるのがロシアの狙い」と指摘している。

一方、米国のジョー・バイデン大統領は1月20日、ホワイトハウスで開かれた就任1年の記者会見で、「プーチン大統領はウクライナに侵攻するだろう」との見方を示し、実際に侵攻に踏み切れば「深刻で高い代償を払うことになる」として、西側諸国は厳しい経済制裁で対抗すると警告した。1月23日、米国務省はロシアとウクライナへの渡航警戒レベルを4段階のうち最も厳しい「渡航中止」(レベル4)に引き上げると発表した。