画像:shutterstock 驚くビジネスパーソン
画像:shutterstock 驚くビジネスパーソン

就活セクハラ経験25%超!抑止対策にオンライン背景画像を提供 日本ハラスメント協会

就活セクハラが社会問題となっている。企業のハラスメント対策などに取り組む一般社団法人日本ハラスメント協会は2022年5月16日、企業の就活セクハラ対策をサポートするため、「NO MORE就活セクハラ」のオリジナルZOOM背景画像やCM動画を無償提供すると発表した。オンライン面接などの際に使用することで、就職活動でのセクハラの抑止に取り組む姿勢を学生にアピールできる。

就活セクハラ対策を学生らにアピール

協会が提供するのは、「NO MORE 就活セクハラ」と書かれた背景画像で、そのまま画像をパソコンに取り込んでオンライン会議アプリZoomで使用できる。

「NO MORE就活セクハラ」のオリジナルZOOM背景画像
画像:日本ハラスメント協会 「NO MORE就活セクハラ」オンライン背景

また、会社ぐるみで就活セクハラ対策に取り組んでいることをPRするとともに、日本ハラスメント協会の無料相談窓口を紹介する25秒間のCMもある。「就職セクハラ対策を強化しています」と表明し、もし、被害の訴えがあった場合は調査の上、厳正に対処する方針であることを伝える内容で、面接前後や途中の待ち時間などに流せば、学生に安心して面接を受けてもらえるという。CMはYouTubeからダウンロードできる。

セクハラ経験の多さに国や大学でも警戒感強める

厚生労働省が21年4月に公表した調査によると、就職活動中やインターンシップ中にセクハラを経験した学生は25.5%で、最も多いのは性的な冗談やからかいだった。不必要な体への接触や食事・データへの執拗な誘いのほか、性的な関係の強要といったケースもあり、厚生労働省も企業に対する指導や学生への啓発など対策に力を入れている。

同協会は、こうした就職活動の中でのセクハラをなくそうと、2019年5月に「就活ハラスメント無料相談ホットライン」を開設し、被害相談などに応じている。2021年卒業の学生からは142件の相談があったという。

セクハラ事例は?部屋の様子や着衣について言及など

協会に相談があった事例では、オンライン面接で「スーツ姿もフレッシュでいいけど、二次面接は部屋着で参加してね」「女性らしい部屋ではないですね。もっと綺麗にした方がいいですよ」などと面接と関係のないことを言われたり、「彼氏はどのくらいの頻度で部屋に来るの?同棲しているの?」などとプライベートな事柄を聞かれたりしたという相談が寄せられた。

直接対面での面接でも、不必要に全身や後ろ姿を見せるように求められた、「彼氏がいる女性の方がキラキラしていますよ。なぜ彼氏つくらないの」「女性なのになぜスカートではないのですか」と言われた、などの相談があったという。

協会では「大学関係者や学生は、企業による就活セクハラを警戒している。このため、企業がコンプライアンスの取り組みとして、就活セクハラ対策をアピールすることは、学生から信頼され、時代に合った企業として社会的評価も上がるメリットがある」と企業の積極的な取り組みを求めている。