画像:くるみんマーク (c)厚生労働省
画像:くるみんマーク (c)厚生労働省

子育てサポート「くるみん認定企業」の基準を引き上げ 男性の育休率など

従業員が仕事と子育てを両立できるよう支援に取り組んでいると国から認定された企業に与えられる「くるみんマーク」の認定基準が4月1日から引き上げられる。基準の引き上げにともない、新たに「トライくるみんマーク」が設けられる。(くるみんマーク ©厚生労働省)

男性の育児休業取得率の基準を引き上げ

くるみんマークは「次世代育成支援対策推進法」に基づいて2005年から始まった厚生労働省の認定マーク。従業員が仕事と育児を両立させやすいよう、育児休業や所定労働時間の制限など制度の整備に取り組み、男性の育児休業取得率が一定以上の基準をクリアした企業が「くるみん認定企業」としてマークを受けられる。

「くるみん」という愛称には、赤ちゃんが大事に包まれる「おくるみ」と「職場ぐるみ、会社ぐるみ」で仕事と子育ての両立支援に取り組もうという意味が込められている。マークは広告や商品、ホームページ、パンフレットなどに使用して対外的にアピールできるため、企業のブランディングや採用活動にも活用されている。

2015年からは、くるみん認定を受けた後、両立支援制度の導入や利用が進み、高い水準の取り組みを行っている企業を認定する「プラチナくるみん認定」も導入された。

今回の認定基準の引き上げでは、男性の育児休業の取得率が現行の「7%以上」から「10%以上」に引き上げられ、男性の育児休業・育児目的休暇取得率も「15%以上」から「20%以上」となる。また、男女の育児休業の取得率などを厚労省のウエブサイト「両立支援のひろば」に公表することが必要になる。

また、プラチナくるみん認定の基準も引き上げられ、男性の育児休業の取得率が「13%以上」から「30%以上」に、男性の育児休業・育児目的休暇取得率が「30%以上」から「50%以上」となる。出産した女性や出産予定だったが退職した女性のうち、子供が1歳時点で在職していた割合も「55%」から「70%」と引き上げられる。

新たに設けられるトライくるみん認定は、くるみん認定の旧基準を満たした企業が受けられる。

2025年に認定企業4300社が目標

「くるみん認定」を受ける企業は制度発足以来、年々増加している。2005年のスタート時は128社だったものの、2011年には1000社を突破。2014年には2000社を達成した。2020年3月末時点では3312社となり、プラチナくるみん認定企業も367社ある。厚労省では認定企業の数を、2025年までに4300社まで増やす目標を掲げている。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2020年、くるみん認定企業を対象に行った調査では、認定のメリットとして「学生に対するイメージアップ」「優秀な女性社員の採用・確保ができるようになった」などと採用への効果を上げた企業が目立った。また、「従業員の制度の認知度が向上」と、社内での制度周知に役立ったという回答も多かった。